最高傑作のEV。「ID.7」は900万円超えだが久しぶりにVWらしい良さがあふれている!
掲載 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office 19
掲載 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office 19
フォルクスワーゲンが11月からドイツで販売を開始する「ID.7」はこれまでのID.シリーズの頂点に立つモデルでサイズは全長4.96×幅1.86×高さ1.54m、ホイールベース2.97mと、MEB(「ID.3」から採用が始まったVWのEV専用プラットフォーム)ベースのID.シリーズでもっとも大きい。
「パサート」のBEVバージョンと理解されているID.7だが、試乗したグレード「PRO」の駆動系はリアモーター・リアドライブ(RWD)で、最高出力286ps/最大トルク550Nmというスペックをもつ。
>>パサート(現行型※生産終了)ってどんなクルマ? 公式画像や価格スペック情報はこちら
>>パサートのユーザーと専門家の評価はこちら
>>パサートの中古車情報はこちら
これにより空車重量2172kgの4ドアハッチバックセダンは100km/hまで6.5秒で加速、最高速度は180km/hでリミッターがかかる。また床下に搭載されるバッテリーの容量は77kWh(ネット)で取り立てて大きくはないが、航続距離は最良の条件下では621kmに達するとVWは豪語する。その理由としてCd値0.23と空力特性に優れたボディや駆動系の効率の向上を挙げている。
エクステリアデザインはID.シリーズの延長で、切れ目の異形横長ヘッドライトやフロントエンドを横切るLEDライトなどで一見してID.ファミリーであることがわかる。だがID.3に比べると7cmも長く、ずっとスタイリッシュで、優れた空力特性と同時に落ち着いたアッパーミドルクラスの雰囲気を漂わせている。
>>VWの主力BEV・ID.4ってどんなクルマ? 画像や価格スペック情報はこちら
>>ID.4のユーザーと専門家の評価はこちら
>>ID.4の中古車情報はこちら
フルアジャスタブル、さらにマッサージ機能までついたシートに身を任せると、正面に横長の運転情報を見やすく表示したデジタルディスプレイ、ダッシュボード中央には15インチのインフォテイメントタッチパネルがレイアウトされている。
操作性はこれまでのID.シリーズで見られた難しさから解放され、トップバーとボトムバーに分かれたコマンドによって直感的で素早い操作が可能になった。エアコンも快適で、かつてVWが超高級リムジンとして送り出した「フェートン」(※49、50枚目の写真)のようにパッセジャーの顔に風が直接当たらないような上品なセッティングになっている。
ARヘッドアップディスプレイなど明らかにワンランク上の装備も用意されている。リアコンパートメントには十分なスペースがあり大人5人でのドライブも可能。さらにトランク容量はリアシートのバックレストを立てた状態で532L、前方に倒すと1586Lにもなり、輸送手段としての自動車の機能はほぼ完ぺきに与えられている。
いよいよスタート! いつものようにスタートボタンを探すが見当たらない。よく見るとステアリングポストの右側に隠れている。というのもID.7はドライバー席に座ってシートベルトをロックすると既にスタンバイ、あとはコラムから伸びたドライブ・セレクター・レバーを前方Dに回すだけで走り出せる。前述のスタータースイッチは親切にも古典的なドライバーのために念のために用意されていると言うわけだ。
駐車場の奥から公道へ出る際に気が付いたのは、全長5mに近いサイズに関わらずステアリングが良く切れ、小回りが利くことだ。カタログ上の最小回転直径は10.9m、ほぼ同じサイズの「BMW i5」が12.3m、「メルセデス・ベンツ EQE」が12.5mであることを考えると驚くほどで、これはRWD(後輪駆動)のために舵角を多くとることができるためだ。
路面情報を正しくフィードバックするステアフィールによって、ワインディングロードではまるでミドルクラスのスポーツセダンのような軽快なハンドリングを見せてくれる。一方、高速道路では長いホイールベースのお陰でピッチングとは無縁な快適で上質な乗り心地を提供してくれた。
そうなるとロングツーリングが楽しみになるが、ナビゲーションに目的地を入れると充電ポイントが示されると同時に自動的に電池を充電に最適な温度をプリセットするプログラムも用意されている。最大175kWhが可能な充電システムを搭載しており、CCS急速充電では28分で航続距離が48kmから380kmまで回復した。ドライバーは充電を待つ間、搭載されているゲームを楽しむこともできる。
ID.7の価格はドイツで19%の付加価値税込みで5万6995ユーロ(約930万円)と決して安くはないが、完成度は高く、奇をてらっていないので長く付き合えそうな、いかにもVW製品と筆者が感心させられた初めてのBEVであった。
まだ日本での発売時期や価格などに関する発表はないが、将来的には86kWhのバッテリーを搭載する「プロS」や、「ツアラー」と名付けられるBEV初のワゴンバージョンも登場する予定で、こちらも楽しみである。
>>VWの高級セダン・アルテオンの画像や価格スペック情報はこちらa
>>アルテオンのユーザーと専門家の評価はこちら
>>アルテオンの中古車情報はこちら
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
いよいよガソリンはリッター200円に!? 補助金の終了が間近に迫ってきた!
1900馬力のピニンファリーナ「バッティスタ」と10台限定の「B95」が日本上陸! イタリア大使館でお披露目された超弩級ハイパーカーとは
日産エクストレイルがマイナーチェンジ。合わせて90周年記念車をリリース
カマルザマン「ドライのマップに変えた」と雨の決勝でベテランの技。Team Frontierは8耐トライアウト首位通過
急きょ出場のデビュー戦でファステストラップの爪痕「シングルシーターでも速いことを示せた」バーニコート/SF第2戦
可能性は感じる ケド「宿題」も多い オモダ5 プロトタイプへ試乗 1.6Lターボの新型SUV
過去最高! 2630台を3カ月で販売したランボルギーニが2024年も好調な業績を維持している理由とは
深夜バス相次ぎ廃止 一般系統も“整理”へ 京成バスダイヤ改正
1200馬力超え“V12”搭載! 「クワッド“バイク”」世界初公開! バイクとクルマ混ぜちゃった! パワーウエイトレシオ1kg/hpの“絶叫マシン”「エングラー V12」英で発表
ストロール、優れたタイヤ管理と戦略で入賞「ニコや裕毅をパスできて楽しかった」アストンマーティン/F1第7戦
日本限定の『コンチネンタルGTアズール』がベントレー&マリナーから登場。世界10台のみ、4165万円
世界に1台 超高級車ブランド「オーダーメイド」に注力 ロールス・ロイス本社工場拡張へ
「シエンタ」が商品改良。変更点は少ないが、ハイブリッド7月、ガソリン8月と納期が大きく改善
イタリア語で「12気筒」を意味する新型フェラーリは「デイトナ」似。SDGs時代もV12は不滅?
【円安効果はごく一部!】国産自動車メーカー好調の理由は日本お得意の“着実な積み重ね”にあった
【今わかること比較】走りと後席の快適性は新型「フリード」優勢。「シエンタ」に勝る点、劣る点
【VIPの隠密仕様】アルヴェル4人乗り「スペーシャスラウンジ」準備中。目立ちすぎLMより本命
【装備充実】ミドルサイズSUV「F-PACE」にジャガー90周年特別仕様車を追加 917万円から
スバル「レガシィ」生産終了。あなたが最も印象に残っているのはどのモデル?【写真でチェック】
三菱の軽EV「eKクロス EV」一部改良。グリーンやライラックのお洒落系カラーも登場。価格上昇は控えめ
「ランドクルーザー250」のおすすめグレードとは? 長く乗りたい人は“ナビ選び”に注意!?